3年ほど前、
友だちのネットショップでパイバードを買いました。
ずっとキッチンの出窓に飾ってありました。
パイバードとは、フルーツパイなど汁気の多いパイを焼くときに、
真ん中に置いて、肩でパイ皮を支えさせ、その口からぽっぽと蒸気を逃がして、
パイが破れないようにしてくれる陶器でできた鳥なのです。
イギリスでよく使われているそうです。
これはヨーロッパでよく見かけるクロウタドリ(Blackbird)の姿をしています。
鳥の形と言うだけでもかわいいのに、それが実用に使えるのだから嬉しいです。
買ったときから、いつかこれでパイを焼こう!と思っていたのですが
友だちがうちに集まるこの機会に、みんなの前で使うことにしました。
ところがこのパイバード、置いてみるとわりと体格がいいのです。
うちにあるパイ皿、タルト皿はみんな浅くてこんな感じです。
結局この中で一番深さのある耐熱ガラス製のパイ皿を使いました。
まずは底になる皮を空焼きしました。
パイ皮は、お手軽でおいしい冷凍パイシートを使いました。
パイ用のおもしがなかったので、スプーンやフォークを置いてふくらみ防止。
こんな方法、昔どこかで見たような気がするのです。
(以下、作り方はまったく適当、と言うか、いい加減です)
友だちと相談して、パイの中身はシンプルにフルーツだけにしました。
りんご1個、洋梨1個、柿1個、みかん1個、冷凍しておいた自家製のブルーベリー数粒、ラズベリー約30粒、タイベリー数粒、ネオマスカット4粒。そしてレモン半個分。
フルーツを小さく切って混ぜ合わせ、レモンを絞って、グラニュー糖をふりました。
スプーンやフォークのあとのついた空焼きしたパイ生地にパイバードを立てました。
うちに来て3年、やっと本来の役目を果たすときがやってきたパイバードちゃん!
ちょっと多すぎるかな?と思いましたが、フルーツをみんなパイ皿に入れました。
具はたくさんのほうがおいしいものね。
こんもりとしたフルーツの山に、パイバードが埋もれそうです。
パイ生地の真ん中に穴を開け、パイバードの顔を出してかぶせました。
しっかりとふちをとめ、照りが出るように表面に溶き卵を塗りました。
パイバードが蒸気を吹くのを見たいので、あえて皮には穴を開けません。
さあ、どうなるかな。
オーブンの中で熱風にさらされるパイバード!あぁ、熱そうです。
蒸気を吐いているところは見えません。
でもしっかりとお仕事をしてくれているのでしょう。
様子を見ながら、30~40分焼きました。
こんがり狐色のパイの焼き上がり~♪
パイバードの顔を見てみましたが、蒸気を吹いたあとはありません。
残念。もっとジューシーな具にしたらよかったのでしょうか。
息を吐くところを見たかったです。
3人分のパイを取ったところです。
中のフルーツは適度に煮えていて柔らかく、色も美しく出ていました。
上の皮のパリパリ感は、パイバードが肩で皮を支えてくれたおかげでしょう!
パイバード、いい仕事をしてくれました。
とってもおいしく楽しいパイでした。
蔵書票自主練倶楽部、記念すべき第1回の集まりのいいお祝いになりました。
初めての仕事を終えたパイバードはきれいに洗われて、また出窓に飾られました。
次回の出演を楽しみに♪
今度はシチューを入れたパイで試してみようと思います。
あぁ、おもしろかった。