朝、ココのいる部屋のドアを開けると、その物音に驚いたのか、
ココがかごの中でばたばたと激しく暴れた。
これが俗に言う「オカメパニック」!
小心者のオカメインコは、ちょっとした物音や振動に驚いて、
こんなふうにばたばたと興奮状態になったりすることがあるらしい。
本で読んだり友だちに聞いたりしていたように、
「大丈夫だよ」と声をかけて、そっと覆い布をはずした。
ココはばたばたをやめ、冠羽を立てたままで胸をドキドキさせていた。
かごの中に手を入れて首筋をなでると、冠羽はゆっくりと倒れてきた。
やっと落ち着いてきたみたい。
ココは、うちに来る前にも、明け方の地震に驚いてオカメパニックを起こしたと言う。
手乗りのオカメは、人の声で落ち着くらしいけれど、
あまり馴れていないオカメは、かごの中で暴れて血だらけになることもある。
まだ子どものココには、気をつけてあげないといけない。
ココが来てから、私の動きもますますゆっくりになった気がする。
私の姿を見て、ココはすぐにかごから出たがったけれど、
朝食と洗濯とゴミ出しが終わるまで待ってもらった。
朝の家事が一段落したところで、まずはジュジュのかごの掃除と餌やり。
先住者のごはんを先にするのが、礼儀?仁義?なのだ。
それからやっとココちゃんの番。
嬉しそうにかごから出てくると、すぐに手によじ登ってきた。
私の髪で遊ぶココを肩に乗せたまま、かごの掃除と餌の取替えをした。
ココの今朝の体重は96g。
やっぱり少し少ない。
もうちょっと食べてくれないと心配だ。
これ以上、体重が減らないように、見ていて食べさせないと。
私が見ていると、張り切って食べるような気がする。
餌を食べさせ、首や頭をかいてやり、そしてココは羽繕いをしてまた綿棒で遊んだ。
それはとても楽しそうで、いつまでも見ていたいけれど
朝の放鳥をあまり長い時間で習慣づけさせておくと
出かけなくてはいけないときに困るので、1時間くらいでかごに戻した。
本当は30分くらいで習慣づけた方がいいかもしれない。
ココをかごに戻したあと、台所の片づけや、簡単な掃除をしていると
「ピュイ!」「ピュイ!」と、大きな声でココが鳴いた。
これが噂に聞いていた「呼び鳴き」!
かまってほしくて私を呼んでいるらしい。
いじらしくて、すぐに駆けつけたいけれど、この呼び鳴きに返事をしたり、叱ったり、
近くに行ってかまったりしてはいけないそうだ。
「大声で呼んだら返事をしてくれる」「遊んでくれる」と覚えてしまうから。
こんなときは、つらいけれどひたすら無視。
答えてくれない、とわかると、大きな声で呼ぶのをやめるそうだ。
そのかわり、鳴いていない、おりこうなときにそばにいって、
ほめてやったり、遊んでやったりするのがいいと言う。
「大きな声で鳴かなくてもあそんでくれるんだ」と覚えさせるらしい。
呼び鳴きはしばらく続いたけれど、私が来ないとわかるとココは鳴きやんだ。
静かになった頃にそばにいって「おりこうだったね、ここにいるからね」と声をかけた。
たった1日で、学習してくれたのだろうか。
それともたまたまなのかもしれないけれど。